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中国、ベトナム金融危機から得た教訓とは?
発信時間: 2008-06-20 | チャイナネット

ホットマネーの管理強化を

「新京報」はこのほど、ベトナムの金融不安が中国に与える影響を分析した中央財政大学中国銀行業研究センターの郭田勇主任による評論を掲載した。主な内容は次の通り。

このところ注目を集めている金融不安について、多くの機構が研究報告を発表し、中国に対する影響は有限的で、大規模な金融危機を引き起こす可能性は小さいとの見方を示している。しかし国際市場の各種原料価格の継続的上昇やインフレ傾向が緩まらない国内の状況、中国とベトナムの地縁関係などを考えると、中国政府はベトナム経済の急速な悪化を貴重な経験・教訓として重視する必要がある。経済成長を促すと同時に、物価レベルの安定を最大限に維持し、必要であれば経済成長を犠牲にしてでもインフレを抑える必要がある。それと同時に、対外資本開放の程度とマクロ調整能力のバランスを取らなければならず、条件がまだ整っていない時に資本勘定の自由化を焦ってはいけない。ベトナムの二の舞を演じないためには、いくつかの問題に注意しなければならない。

まず政府は、ホットマネーに対する監督を強化し、発生する可能性のあるリスクに対する応急案を策定しなければならない。今年1~4月の外貨準備高の新増加は2284億ドルだったが、同期の貿易黒字と海外直接投資(FDI)は756億ドルにすぎなかった。つまり説明できない外貨の流入が1528億ドルあったということだ。ドイツ銀行の最新研究報告はさらに、1~4月まで中国に流入したホットマネーの規模が、公表された外貨準備高の増加量をはるかに超える3700億ドルだったとする見方を示した。ホットマネーの正確な量についてはさらなる分析が必要だとしても、その規模の大きさに異論の余地はない。これは将来の経済成長に対して隠れた危険性を形成するものだ。中国は資本勘定の自由化をまだ行っていないのだから、この規定を形骸化させてはならない。管理層はホットマネー流入の規模とルートの研究を進め、違法流入する資金の監督と処罰のレベルを引き上げるべきだ。

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