ホーム>>経済>>視点
急成長する中国のバイオエネルギー産業
発信時間: 2008-07-23 | チャイナネット

(1)幸先のよいスタート

原油価格の世界的高騰を受け、石油の代替物として利用できるバイオエネルギーが各界の注目を集めている。バイオエネルギー産業にとって原油価格の上昇は新たなチャンスだ。バイオエネルギー産業の形成は中国でも始まっている。

中国工程院(工学アカデミー)の黄其励・院士は、このほど開催された中国科学院(科学アカデミー)と中国工程院の院士大会で、「中国再生可能エネルギー発展戦略研究」と題した報告を行い、「中国は、石油に替わる液体バイオ燃料とバイオベース製品を、積極的かつ着実に発展させていかなければならない」と指摘した。

中国は07年9月、「再生可能エネルギー中長期発展計画」を発表し、▽2010年までに、穀物以外の作物を原料としたエタノール燃料の年間使用量を200万トンに、バイオディーゼルの年間使用量を20万トンに増加させる▽2020年までに、バイオエタノール燃料の年間使用量を1000万トンに、バイオディーゼルの年間使用量を200万トンに増加させ、石油換算で年間1000万トン分の燃料を代替させる――という目標を明確化した。「穀物の食用を優先し、土地の食糧栽培を優先する」という原則のもと、トウモロコシなどの穀物を原料とするバイオ燃料の利用は厳しく抑制される。

中国農業大学の石元春?教授(中国科学院と中国工程院の院士を兼任)は、穀物以外の作物を原料としたバイオ燃料の普及を中国政府が打ち出していることについて、「食糧の安全保障とバイオ燃料の発展を両立させるもので、中国の国情にも符合し、世界の発展方向にも即している」と評価する。バイオ燃料の石油代替に向け、中国は幸先のよいスタートを切った。

1   2   3    


  関連記事
  同コラムの最新記事

· 中国、工業構造調整で積極的な成果(3)

· 上海万博の入場者、7千万人になる見通し

· 中国の資導入に変化

· 08年、外食消費は一人平均1158元に

· 中国、工業構造調整で積極的な成果(1~2)