易綱・中国人民銀行副総裁は11日、心を一つにして国際金融市場の安定を共同で守るよう世界各国に呼びかけた。易副総裁は同日、国際通貨基金(IMF)の意思決定機関である国際通貨金融委員会(IMFC)の第18回閣僚級会議(ワシントン)で「米国の金融危機はすでに深刻に悪化し、世界経済の成長も明らかに減速している。中国は経済先進国がこのほど打ち出した金融市場安定化措置が早急に施行され、かつ積極的な効果を上げて、投資家が自信を取り戻すことを希望する」と発言した。
易副総裁は「中国は引き続き関係各国との協調と協力を強化する考えだ。世界各国が心を一つにして、国際金融市場の安定を共同で守ることも希望する。IMFは国際通貨・金融の安定維持という使命を適切に果たし、現在の危機の動向と影響を直ちに追跡・評価し、関係国による救済措置の制定に加わり、これを支援して、早急に危機を沈静化させるべきだ」と指摘した。
また「実体経済への金融危機の影響が従来の予測よりも深刻なことから、すでに一部の国では信用収縮によりデフレリスクが明らかに高まっている。したがって主要国政府・中央銀行は政策協調を一層強化し、昨年以来のインフレ圧力を引き続き抑制すると同時に、デフレの発生にも警戒しなければならない」と強調した。
中国経済については「今年に入り中国は、自然災害や国際経済・金融環境のマイナス要素の克服に努め、安定した比較的速い経済成長を維持している。経済成長の構造がさらに改善され、消費を中心とする内需の経済成長への牽引作用がいくらか強化され、国際収支が目に見えて改善され、産業構造の改良とグレードアップが進み、省エネ・排出削減能力が高まっている。内外の経済成長が全体的に減速し、マクロ調整の効果が徐々に現れるにつれて、インフレ圧力はすでに一定程度緩和されている。人民元相場は弾力性が高まり、為替レートはさらに合理化へ向かっている」と指摘。「全体的に見て、中国経済の基本面は変化していない。今回の金融危機に対処するうえで中国にとって現在最も重要なのは、経済・金融・資本市場の安定を維持することだ。中国は経済成長モデルの転換を加速し、消費を中心に内需拡大に力を入れ、経済の安定した急成長を維持する。中国は将来の経済成長と金融安定への自信に満ちている。また、中国が安定した比較的速い経済成長を長期間続けることは、世界への最大の貢献である」と述べた。
「人民網日本語版」 2008年10月13日 |