国連の沙祖康事務次長(経済・社会問題担当)は13日、米ドルが全世界の主要準備通貨であることと、先進国が主な国際経済機関をコントロールしていることが、世界的な金融失調を招いた主要原因であるとの認識を示した。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
沙事務次長は世界銀行と国際通貨基金(IMF)の年次例会に寄せた書面で「ブレットン・ウッズ体制および経済協力開発機構(OECD)などの国際機関は先進国にコントロールされている。先進国が打ち出す政策は、本国の政策調整のみで、全体的な考慮に欠けている。多くの措置は金融機関の個別救済レベルにとどまり、こうした政策は一時的な繕いになるのみで、透明性あるグローバルなシステム、政策調整による管理・金融監督はもたらし得ない」と指摘した。
また「現行の世界経済管理メカニズムでは、グローバルな金融失調を回避できない。国際金融システムにおける体制的な問題への系統的な解決案が必要だ。国際通貨・金融システムの改革はすでに焦眉の急となっている。根本的な目標は包容性と公平性を実現し、高い信頼性と効率性を備えた世界経済管理メカニズムの構築だ」と述べた。
さらに「今や発展途上国は世界経済における重みを大幅に増し、世界経済システムにおける純債権国となりつつあり、規範化された公正な債権システムの構築推進にも努力している」との認識を示した。
「人民網日本語版」 2008年10月14日 |