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オムロンのCSR戦略を紹介する山下利夫氏(右)。 |
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復旦大学経済学院で14日午後、「基業長青(Build-to-last、企業の存続)企業家サロン」が開かれた。オムロン(中国)董事長兼総経理の山下利夫氏(上海市外商投資企業協会副会長)が招かれ、オムロン社のCSR(企業の社会的責任)に関する戦略展開をケーススタディとして、23名の中国企業家及び企業研究者と、CSRと企業の持続的発展との関係についてディスカッションを行った。
同サロンは上海プレック人力資源有限公司、復旦大学産業発展研究センター、復旦大学中国経済研究センターの共催で開催され、中国と外国企業家との間のコミュニケーション促進を主旨に運営されている。当日のサロンは、復旦大学産業発展研究センター学術委員会主任の陳釗教授がオブザーバーを務め、またMicro Media社のパートナー何偉軍氏など20人の中国、及び台湾の企業家が参加した。
温度計、血圧機などの商品が中国で大きな市場シェアと知名度を持っているため、オムロンは中国ではただ健康医療機器を生産する企業だと誤解されがちだ。山下氏の企業紹介を聞いて、中国の企業家達はオムロンが世界でもFA(ファクトリーオートメーション)のパイオニアであり、またセンシング&コントロールを核とした独自のカーエレクトロニクス技術を持っており、健康医療機器事業はただオムロンの事業全体の10%にも達していないことに驚いた。
中国企業家に更にインパクトを与えたのは、山下氏が皆に見せした二つのビデオだ。一つは日本初の福祉工場として障害者雇用を果たした特例子会社オムロン太陽株式会社に関する映像と、もう一つはオムロン創業者である立石一真氏による、企業のCSR理念に関するコメントだ。この二つの映像を通して、企業は社会に役立ってこそ存在価値があり、利潤を上げることができ、存続していけるとのオムロンの理念を、中国の企業家は分かりやすく理解できた。また、山下氏の説明にある、事業を通じてよりよい社会をつくること、 企業活動を進めるうえで、常に公明正大であること、社会が抱える課題に当事者として自ら取り組むこと、というオムロンのCSR方針にも、皆は大きな感心と共鳴を示した。