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新たな役割を担うインド
発信時間: 2008-11-24 | チャイナネット

金融危機の不断の拡大に伴い、新興経済国への衝撃も強さを増している。新興国が金融の嵐を効果的に防ぎ止められるか否かは、世界経済の成長の回復において全局を左右する。新興国の重要な一員であるインドは現在、多くの措置を講じて国内経済の安定に努めると共に、国際金融システムの改革推進に取り組んでいる。インドの努力は、危機に対処する新興国の決意を反映している。

インドの株式市場は今年60%近く下落し、中央銀行の外貨準備高はここ6カ月で630億ドル縮減した。主力のITアウトソーシング業界は、取引先の6割が欧米の金融企業であるため、業績が大幅に悪化した。不動産市場は資金チェーンの断裂により身動きが取れなくなっている。工業成長率は昨年の半分の5%を維持するのがせいぜいの見通しで、インド経済の「背骨」と称される中小企業は、なおさら資金調達が難しくなっている。4年連続で9%を維持してきた経済成長率は、今年は7.5%から7%に減速する見通しだ。

今年初めから苦しめられ始めたインフレは、10月の最悪時には12%を超えた。来年5月に総選挙を控えたシン内閣が早期に緊縮通貨政策を講じたことで、インフレ率は最近9%にまで下がった。だが国際金融環境の変化に伴い、シン内閣はより大胆な手段、積極財政・通貨政策へ転換せざるを得なくなった。インド中央銀行は、4週間足らずの間に、預金準備率の引き下げを3回発表し、金利を7.5%にまで引き下げた。各商業銀行もこれに伴い、法人貸出金利と個人貸付金利を引き下げ始めた。政府はさらに、農民の融資と収入、化学肥料補助金の引き上げ、公務員の給与引き上げ、道路建設や地方インフラ整備の加速などにも、計14兆ルピーを投じる。都市部の就業率を保つため、シン首相は各大企業に安定を維持し、人員削減をしないよう呼びかけている。

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