国際通貨基金(IMF)は28日、今年の世界経済の成長率は、昨年11月のIMFの見通しを1.7ポイント下回り、第2次世界大戦後最悪の0.5%まで落ち込むとの見通しを発表した。主要国は第2次大戦後初めて、そろってマイナス成長に落ち込む。マイナス幅は2%と、前回予測の0.3%から大幅に悪化。新興国・発展途上国の経済成長も昨年の6.3%から3.3%へと急減速し、前回予測の5%成長を大幅に下回る。
IMFは発表の際、すでに広範囲に及ぶ政策措置が講じられているものの、依然として金融情勢は極めて悪く、実体経済にも深刻な損失が出ていると指摘。金融セクターの機能が回復し、クレジット市場の障害が除去されるまでは、持続的な景気回復は不可能だとした。
IMFはこうした現状に対して、金融セクターの回復を促す新たな政策措置が必要と指摘し、中期的な存続可能性に基づく金融機関の分類、資本注入や不良資産の分離による存続可能な金融機関に対する公的支援などを挙げた。また、通貨や政府の財政政策の面では総需要への下支えを強化し、かつ予見可能な将来においてこうした政策を堅持すべきと指摘。同時に、長期的な財政の持続可能性を確保する方策や国際協力の強化を模索すべきとした。
IMFによると、08年の世界経済の成長率は3.4%で、主要国の成長率はわずか1%だった。
「人民網日本語版」2009年1月30日 |