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中国企業への技術ライセンスの留意点
発信時間: 2009-03-06 | チャイナネット

3.ライセンス契約の登記は必要か

「技術輸出入管理条例」によれば、輸入自由類技術に関わるライセンス契約を締結した後、技術輸入者は政府商務部門に契約の登記を行う必要がある、とされています。しかし一方、政府商務部門で登記したか否かに関わらず、このようなライセンス契約は締結してから法的効力が発生することが可能です。このため、政府商務部部門でわざわざ契約を登記しなくてもよい、と考えている方も多いのではないでしょうか?

実際私が知る限りでも、ライセンス契約を締結していても、政府商務部門で契約の登記を行っていないケースは決して少なくありません。ライセンス契約の内容が中国の法律に合致しないため登記が認められなかった場合もあれば、契約当事者が中国法に対する理解が不十分であるため登記の必要性自体を知らない場合など、その理由は様々です。

今まで、中国の法令では、ライセンス契約の登記時間につて、明確な要求を行ってはいませんでした。しかし、商務部が2009年2月1日に公布した「技術輸出入契約登記管理弁法」において、ランニングロイヤリティ(売上に応じる使用料)を受領する契約を除き、技術輸入者が契約発効後60日以内に、商務部門に契約の登記を申請しなければならない、とする規定が盛り込まれました。この「60日間」という期限については、契約当事者にある程度の猶予期限を与えているとも解釈できることから、契約当事者が自主的にこの期間内に登記を申請することを促す狙いがあるとも考えられます。

そもそもライセンス契約を登記しなければ、中国企業が技術使用料を日本企業に送金することができません。なぜなら中国企業がライセンスフィーを送金する場合に、銀行からライセンス契約を商務部門で登記した証憑の提出を求められるからです。これまでに、日本に送金する際に、銀行から証憑の提出を求められてはじめて契約の登記を申請して、登記が認められたケースなどもありますが、上記「技術輸出入契約登記管理弁法」の施行開始により、所定期間内に登記を怠ってしまった場合には、登記自体が認められないのではないかという懸念も出てきました。登記管理弁法が施行されてからまだ日が浅いこともあって、政府商務部門がどのようにこれを判断していくのか、実例はまだありませんが、日本企業が、中国企業から無事に且つ確実にライセンスフィーを受け取るためにも、法に従いライセンス契約の登記を期日内に行うよう、中国企業に促す必要があるでしょう。

 


 作者:韓晏元 潤明法律事務所パートナー弁護士 神戸大学博士(法学)

 「人民網日本語版」2009年3月6日

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