その他の店主も似たような目標を持っている。掃除機、クリスマスの飾りからバスタブ、長靴、髭剃りクリームなどまで、思いつく商品はほとんど何でもある。彼らの原則は客がいつも正しいということではなく、客が持ち主だということだ。最も重要なことは、商品の販売対象がウォルマートやカルフールではなく、多くの新興市場の商店や商人で、これらの市場の購買力は巨大で徐々に増加しているということだ。
現在の義烏国際商貿城はひっそり静まっているようだ。世界の回復困難と欧米の消費低迷が悪影響を及ぼしている。しかし、義烏は依然として「世界が永遠に廉価商品に対する嗜好から抜け出せない」という信仰心があつい聖地なのだ。どの商品も安いが、さらに重要なのは質が必ずしも悪いわけではないことだ。バイヤーたちは、義烏の商品の質は絶えず改善されていると話す。中国の貿易が四方に拡大するのにともない、需要の質と量も同時に向上している。
注目される大口取引の背後にあるのは、さらに小規模で数多くのつながりで、それは義鳥から始まり、ついにはブラジルの夜店やイエメンの露店の小規模の取引を形成した。こういった小型貿易、特に中東との小型貿易は中国が世界的影響力の拡大を図る上で重要な役割を果たすかもしれない。ロイヤルバンク・オブ・スコットランドの中国チーフエコノミストのベン・シンプフェンドーファー氏は、現在の有利な世界背景の中で、義烏市場は新シルクロードの起点に立っていると話す。この中国と中東をつなぐ貿易ルートは、じきに巨大な地理・政治と経済の意味を持つことになるだろう。
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