中国と米国は現在、エネルギーの消費と二酸化炭素(CO2)の排出が世界で最大の国となっている。その両国が7月以来、新エネルギー分野で頻繁な動きを見せている。しばらく前に行われた中米両国の戦略経済対話でも、気候変動への対応と新エネルギー分野での協力が、双方が関心を寄せ討論した重要議題の一つとなった。一方、中国の上半期の経済指標は好転を見せ、世界経済の回復は次第に明らかとなり、電力とエネルギーの需要は上昇傾向を取り戻している。政策と市場との二重の刺激を受け、新エネルギー産業の発展に注目が集まっている。関連株式の人気も高まり、地方政府の投資も盛んになっている。だが実際には、新エネルギー産業の発展を楽観視することはできない。新エネルギー産業は各種の矛盾と問題を抱えており、我々は、これを注意し予防していく必要がある。「人民日報海外版」が伝えた。
新エネルギー産業には、投資の牽引(けんいん)とエネルギーの供給、技術の進歩という3つの面から経済成長を支える作用があると言われる。だが市場・コスト・技術などの制約がある現在、新エネルギー産業が短期的に、中国経済の成長を支える重任を負うまでに成長することは難しい。
まず、市場の面から見ると、新エネルギー産業は、供給が過多で需要が不足している状態だ。政府の経済刺激策で新エネルギー産業への投資は順風満帆のように見える。作成中の「新エネルギー産業振興計画」が出ないうちから、実際の生産能力と今後の生産能力見込みはこれまでにないほど高まっている。このことは、今後の経済の形勢に対する資本市場の積極的な判断を示すと同時に、むやみな利益追求という資本のもう一つの側面を示している。事実上、新エネルギーの需要のここ数年の増加は限られたものとなる。国内市場で言えば、代替エネルギーとなる各種エネルギー製品には生産・生活の分野に大規模に入っていく力はない。国際市場で言えば、新エネルギー製品の市場参入の障害は高まっており、国内製品の国際競争力をもっと高める必要がある。需給の不均衡による生産能力の過剰は一触即発の不安定な状態となる。新エネルギー産業の低レベルの競争が激化すれば、資本撤退が続出し、産業が収縮するということも考えられる。そうなれば、経済成長を支えることができないだけでなく、成長にとっての負担にもなる。