ホーム>>経済>>視点
手段は現地化 グローバル企業の賄賂事件続出 
発信時間: 2009-08-13 | チャイナネット

米メディアによると、米最大のラベルメーカーであるエイブリー・デニソン社はこのほど、中国の地方官僚に賄賂を贈ったとして20万ドルの民事罰金を関連部門に課された。豪リオ・ティント社の事件が決着しないうちに、グローバル企業の中国関連のスキャンダルがまたも明らかになった。「中国証券報」が伝えた。

リオ・ティント社やエイブリー・デニソン社の事件が続いたのは偶然ではない。ウォールマートやアルカテルルーセント、IBM、ダイアグノスティック、シーメンスなどを含む国外の有名企業はこれまでも中国での賄賂事件に巻き込まれてきた。民間経済分析機構である安邦コンサルタントが04年に発表したデータによると、関連部門が10年間に調査した50万件の腐敗事件のうち、国際貿易や外資企業と関連のあるものは64%を占めた。グローバル企業の中国での賄賂事件はますます増加する傾向にある。

▽賄賂誘う高いリターン

海外の大企業が賄賂に手を染めるのは、中国市場が広大で豊かであるために、賄賂で支払う金額の数十倍もの見返りを得ることができるからだ。

商業賄賂での罰金最高額を記録したシーメンス事件はその一例だ。シーメンス子会社の医療機器メーカーは03年から07年までに1440万ドルもの賄賂を仲介者に贈った。同社はその見返りとして、中国国有病院5院に医療設備を販売し、2兆9500億ドルもの売り上げを得た。また02年から07年までには、総額10億ドルを超える地下鉄プロジェクト7件と総額約8億3800万ドルにのぼる華南地区の高圧送電線プロジェクト2件での契約を得るため、シーメンスは仲介者に約5000万ドルを提供し、各部門との関係をつけた。すでに明らかになっているこれらの数字を見るだけでも、賄賂で得られるリターンがどれだけ高いかがわかる。

グローバル企業が賄賂を通じてリターンを得ているケースは主に、▽政府との契約や政府からの注文書の取り付け▽大プロジェクトの獲得▽土地資源の低価獲得▽問題が発生した時に管理や処罰を逃れる▽政府の審査・認可の速度を速める……などが挙げられる。

ビジネス賄賂問題の専門家である南開大学国際経済法研究所の程宝庫・所長によると、世界トップレベルの大企業が賄賂という違法手段で市場獲得をねらうのは、利潤最大化を追求するというグローバル企業の本質を表している。これらの企業は、最も小さな投資で最も大きな利潤を得ようとする。

1   2    


  関連記事
  同コラムの最新記事

· 中国工業、60年で先進国の200~300年に相当する成果

· 証監会:上場会社の合併買収・再編の審査は正常に行われている

· リオ・ティント問題、中国の投資環境に損害与えない

· 米国の中国産タイヤ関税引き上げは「根拠ない」

· 手段は現地化 グローバル企業の賄賂事件続出