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中国は実力に応じた新エネルギー産業の発展を |
発信時間: 2009-08-13 | チャイナネット |
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次に、コストの面から見ると、新エネルギー産業には十分な奨励がなされているにもかかわらず、その成果は芳しくないという問題がある。新エネルギー産業の発展をさまざまな方法で奨励しなければならないということは、各国政府の共通認識となっている。他国の実践例では、奨励の対象が製品のユーザーに集中している。消費者の需要を高め、新エネルギー製品の使用を消費者が選択するようにするためだ。これは、理論的にも実践的にも最も効果的な奨励方式と言える。だが中国では、奨励対象が供給元に偏っている。各級政府は、補助や投資などを通じた企業への直接支援を重視しており、企業の生産コストを下げ、帳簿上の利益を拡大させようとしている。このやり方は合理的に見えるが、資源配置のゆがみを生み、企業の生産効率を上げることができないだけでなく、製品の市場普及のためにもならない。深刻な問題は、生産者側への奨励措置によって新エネルギー産業が大きく拡大することで原材料価格の上昇が起こっていることだ。実際、国際市場でのシリコン素材の価格は上昇しつつある。投資によって産業を奨励しても、原材料価格が上昇すれば、奨励効果は打ち消されてしまう。こうなれば、新エネルギーの生産コストの引き下げにもならないだけでなく、国家の財政資源の浪費と流出という問題にもなる。 第三に、技術の面から見ると、新エネルギー産業の研究開発には、技術開発の対象が一部の技術項目に偏り、総合的な解決プランの構築が不足しているという問題がある。原材料の加工や中間製品の製造、最終製品の組み立て、生産や生活に利用するための設備・製品など、新エネルギー産業の各部分を個別に見れば、技術的な難題はすでにほぼ克服されていることがわかる。だが具体的な利用に関しては、新エネルギーによる発電にせよ、新エネルギー関連の設備・製品にせよ、成功例は数えられるほどにすぎない。その原因は、新エネルギー産業の技術開発が産業内部の段階にとどまっていることだ。市場が必要としているのは、社会・経済の持続可能発展に総合的な解決プランを提供するような新エネルギーの技術と製品だ。消費者は、コストの問題を考慮すると同時に、新エネルギー製品の利用しやすさや安全性、安定性なども考慮する。従来のエネルギーとこの分野で同等かこれを超えるレベルに達するには、新エネルギーの産業内部での発展という段階を乗り越え、外部への利用に着手しなければならない。もちろん、総合的な解決プラン提供では、新エネルギー産業がすでに研究と試行を始め、ある程度の進展を得たことは否定できない。例えば、スマートグリッドの建設によって新エネルギーの送電効率を上げるなどの取り組みがなされている。だが短期的には、飛躍的な発展を遂げるのは難しいのが現状だ。 このように、新エネルギー産業の発展の任務は重く、歩くべき道は長い。新エネルギー産業は、気候変動への対応や低炭素経済の建設などといった歴史的な使命を負っている。だがあまり急ぎすぎてはならず、発展の進み具合に注意しながら、実力に応じて着実に進んでいくことが必要だ。 作者:復旦大学環境経済研究センター副主任 「人民網日本語版」2009年8月13日
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