競争関係が「裏切り型(最適な戦略)」に転換
G20では無秩序な政策切り上げのリスクが認識され、IMFと金融安定化理事会(FSB)の協調のもとで出口戦略を制定することが強調された。同時に、各国の国情は異なるため、出口戦略の規模、時期と行動順序は、国と政策のタイプに合わせて決めるとされた。
出口戦略の透明で市場効果のあるプロセスの必要性が要求されたが、「プラスサム・ゲーム」を形成することは難しい。ゲーム論に基づくと、「協調型」は長期的な動向で、「裏切り型(自らに最適な戦略)」こそが正常なゲームである。世界経済の競争関係は必然的に「協調型」から「裏切り型」に変わるだろう。具体的には国際金融分野での発言権、通貨緊縮政策の時期選択、銀行経営幹部の報酬制限など3方面に現れている。
先進国とBRICs(中国、ブラジル、ロシア、インド)は現在、国際金融機関の改革、株式、投票権で競争を繰り広げており、国際金融の新秩序構築においても力比べをしている。イスラエルの中央銀行は8月24日、政策金利を0.25%から0.75%に引き揚げると発表した。英『エコノミスト』は、オーストラリアとノルウェーも国の利益を最大化にすることを考慮し、金利を引き上げるとしている。イギリス、ドイツ、フランスの指導者は、今月下旬に開かれる第3回のG20金融サミットで、金融業の報酬に対し強制措置を取る考えを示すよう呼びかけている。世界の金融の中心であるニューヨークの立場を考慮し、米国はこの問題について積極的ではなく、ミクロ的視点の金融制度で利益を得るよう各自努めていく方針だ。
「チャイナネット」 2009年9月9日
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