世界経済フォーラム(WEF、本部・スイス・ジュネーブ)が8日発表した2009年度版の「世界競争力ランキング」報告によると、大陸部の競争力は昨年の30位から1ランク上昇して世界29位となった。これは中国の自主革新力の高まりによるところが大きいとみられる。
世界競争力ランキングは2004年に導入された世界競争力指数に基づいて作成される。同指数は各国(地域)の制度、インフラ設備、マクロ経済の安定性など、競争力をはかる12の要素により構成されている。
同報告では世界の経済体を3つの段階??▽経済的要素が整う段階▽経済効率が上昇する段階▽自主革新力が向上する段階??に分類し、大陸部は2つ目の経済効率上昇段階に入ったとしている。
WEFの説明によると、ある経済体が自主革新力向上の段階に入っているかどうかを判断するには、商業の成熟度と自主革新力とが重要な指標になる。今回、大陸部がランキングを上げたことの背景には、商業の成熟度が昨年の43位から38位に、自主革新力が28位から26位に、それぞれ上昇したことが主な要因としてある。
同報告によると、大陸部にはさらなる発展を必要とする一連の分野が依然として存在する。特に金融市場の成熟、技術的な備蓄、高等教育の分野で発展が待たれる。
今回の報告では世界の133の経済体が取り上げられた。ランキング1位はスイスで、世界で最も競争力を備えた経済体として高く評価された。米国は金融市場が弱体化しマクロ経済の安定性が揺らいだため、今回は首位を譲り2位となった。3位はシンガポール、4位はスウェーデン、5位はデンマーク。