第3回中日韓外相会議が28日、上海で開催された。中国の楊潔チ外交部長は29日、第3回中日韓外相会議に出席した韓国の柳明桓・外交通商部長官と会談し、「中国側は、中日韓三国の協力に新たな進展をもたらすため、韓国側と密接に協力していくことを希望している」と述べた。10月10日には、温家宝総理・鳩山由紀夫首相・李明博大統領による中日韓首脳会議が開かれる。28日の中日韓外相会議は、三国首脳会議に向けた準備と調整の舞台となった。「国際金融報」が伝えた。
東アジア地区の「三巨頭」である中日韓の外相会議では、東アジア共同体の構想が議論の焦点となった。鳩山首相は21日、胡錦濤主席と米国で会談した際、欧州連合(EU)を参考にして東アジア共同体を構築するという構想を打ち出した。胡主席はこれに対し、双方が協力を深めるための5つの提案を行った。これには、首脳間・民間・経済貿易の往来を強めることなどが含まれている。
日本は三国外相会議で、東アジア共同体を構築するための時間割を打ち出した。日本外務省の児玉和夫報道官は、「東アジア共同体の構築は長期的な夢であり、短期的な目標ではない。これには、機能一体化のプロセスが不可欠だ。絶え間ない融合を通じて、今後10年から15年で、この夢を実現できるのではないかと考えている」と語った。
日本の岡田克也外相は、「日本は、開放的な地域主義を取り、アジア外交を積極的に進め、東アジア共同体の構築に努力する」と語った。楊潔チ外交部長は、「中国は、東アジア共同体の構築を最も早く提案し、支持した国の一つだ。東アジアの協力と一体化の進展にも積極的に取り組んできた。中国側は、開放的な態度で各方面とともに東アジア協力を引き続き進めていきたい」と語る。
東アジア共同体を構築するという発想は以前からあった。東南アジア諸国連合と中日韓の首脳会議(ASEANプラス3サミット)が1997年に誕生して以来、ASEAN全体は、東アジア地区の経済貿易・金融協力を進め、地域の一体化を進めるのに、大きな役割を果たしてきた。
「東アジア各国は、輸出主導型という経済的な特徴を持った国ばかりだ。東アジア各国はいずれも、金融危機のダメージを輸出貿易で受けた。また中国と日本は、大量の外貨準備高を持つ国であり、そのほとんどがドル資産だ」。復旦大学経済学院の孫立堅・副院長は指摘する。「アジアの資産の創造モデルと管理モデルは欧米の制限を受けている。アジア各国は、共同で内需を拡大し、地域協力を強化し、アジア経済に対する欧米の諸国と通貨の影響を減少させる必要がある」
だが孫副院長によると、「東アジア共同体」という構想は昔からあり、日本もこれに積極的だとは言え、実行可能なプランはないのが現状だ。「欧州がEUを構築したのに比べると、東アジアが東アジア共同体を構築するのはより難しい。第一に、東アジア各国には欧州各国のような比較的単一的な信仰がない。第二に、歴史的な問題が多く、戦争の傷は欧州ほど根本的にはいやされていない」
東アジア共同体の構築に対する中日韓三国の態度について、孫副院長は、「日本はこれまでずっと積極的な態度を取ってきた。日本の国内市場は小さいので対外開拓が不可欠である上、東アジア共同体の構築も日本円にとって有利となる。一方、中国と韓国には慎重な意見が多い」と語る。
「人民網日本語版」2009年9月30日