次に、共通の為替相場変動メカニズムを導入すること。貿易取引、実物取引、金融取引の頻繁な地域では、為替相場の安定が実物取引を維持する必要条件となっている。北東アジア地域の人民元、韓国ウォン、日本円は為替変動の違いが比較的大きい。現在の情況をみると、韓国のウォンと人民元はドルに強いのに対し、日本円はドルに弱い。通貨間のレート変動は対ドルレートに比べ波がある。こういった理由から筆者は、3カ国に共通の為替相場変動メカニズムを導入し、ドルという単一の為替レート変動にだけ注目するのではなく、北東アジア地域単独の為替相場変動システムを構築することを提案する。これにより、中日韓における金融協力面の開きが縮小するだけでなく、実物取引を強化する役割も果たす。
第三に、北東アジア金融市場を徐々に構築すること。中日韓と東南アジア諸国連合(ASEAN)の「10プラス3」協力メカニズムは発足以来、すでに外貨準備高800億ドルの基金を共同設立、08年末の中日韓による計600億ドルの通貨スワップに加え、今年2月22日に開かれたASEANプラス3財務相特別会議では外貨準備高をさらに400億ドル増額する決定がされ、金融協力の規模はすでに1800億ドルの水準に達している。ASEANプラス3の金融協力では地理的な関係から主に香港のような国際金融センターを利用すべきだが、それに対し、中日韓3カ国の金融協力では北東アジア地域で実施される行動とその役割がより大きくなる。中央銀行協力メカニズムと為替相場協力メカニズムの構築はすでに北東アジアの金融市場の初歩的な土台になっている。世界的な金融危機の変化が多かれ少なかれこのプロセスを促すことになるだろう。もちろん、比較的整備された北東アジア金融市場を構築するには長期的なプロセスが必要となる。
「人民網日本語版」2009年10月13日
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