24日に行われた「09年浦江イノベーション・フォーラム」において、経済学者である国務院発展研究センターの呉敬叙ホ研究員がインフレ、融資の動向、政府の行動などの問題について観点を述べた。呉研究員は、「一般的に言うと、インフレ・物価上昇と貨幣増加の間には、1年以上の時間差がある。このため、すぐにはインフレが起こることはないが、動向は重視されるべきだ」との見解を表した。
中国が徹底的に金融危機の影響から抜け出したければ、短期的には政策の影響に頼り、長期的には経済成長方式のモデルチェンジと、産業のグレードアップに頼る必要がある。呉研究員は「いわゆる短期的政策とは、政府が財政政策と貨幣政策を通じて需要を増やすというもので、影響は大きく、すでに効果も現れ始めている。1月から9月までのデータによると、第1-3四半期のマネーサプライは前年同期比で約30%増加した。今年の融資総額は10兆元を超えるのは確実で、これまでにない高額となる。ただ、GDPが8%成長を保持することは問題がないが、貨幣発行の増加は依然として供給の増加を大きく上回っている」と述べる。
「インフレが起こるかどうか」の議論に関して、呉研究員は、今ある2つの観点はどちらも問題があると語る。1つめは「貨幣発行が多すぎるからすぐにインフレになるだろう」というもの。これは判断を急ぎすぎで、そんなにすぐにインフレにはならない。2つめは「今インフレではないから関係ない。貨幣をもっと発行しても大丈夫だ」というもの。これも違う。呉研究員は「経済危機に対応するためにはレバレッジの縮小(デレバレッジング:de-leveraging)をするべきだ。しかし現在中国ではリレバレッジ(re-leverage)という問題が出現している」と警鐘を鳴らす。レバレッジ(てこ)とはすなわち、資本と債務の間の比例関係だ。現在は、債務ばかりが増加しているため、貨幣の発行しすぎを軽視してはいけない。「解放日報」が伝えた。
「人民網日本語版」 2009年10月26日 |