金融危機により日本では就職が厳しいことから、上海など中国の都市に職を求めてやってくる日本人が増えている。 国際金融報が伝えた。
奈良県香芝市から来た山本貢さん(59)は今年2月から中国のある貿易会社で購買部長を担当している。山本さんの仕事は中国各地から日本へ輸出される部品に問題がないかの検査。「中国の上司は要求が厳しいですが、仕事はやりがいがあります」という山本さん。
山本さんは昨年9月日本の機械メーカーを退職、新しい職を探し始めたばかりの頃に金融危機が爆発した。「大学の学費が必要な2人の子がいるのに仕事が見つからなかった」と当時を振り返る。失業保険の受領期限が切れようとしていた時にこの仕事が見つかった。
現在上海に長期滞在する日本人は約5万人。日本企業の駐在員とその家族のほかに、日本企業の現地採用や中国企業で働く日本人は1万人を超える。
人材派遣会社大手のパソナ上海法人でコンサルティングを担当する高井陽平氏は、「金融危機後に中国の求人数はやや減少したものの、最近では自動車や建設を中心に関連業界が回復してきている」という。東京などで開かれる中国就職説明会には数多くの日本人が参加するという。
中国では中国語に通じた日本人の月給は約1万元。就職を希望する日本人の多くは30歳以下で、中国側が求めているのは即戦力となる人材や営業経験者であるため、実際すべての人が希望通りの職を見つけているわけではない。
「人民網日本語版」2009年11月2日