大陸部初の海底トンネル「廈門(アモイ)翔安海底トンネル」が5日、福建省廈門市で全面的に完成した。車での通行が可能になれば、これまで自動車で1時間半だった廈門島から翔安区への所要時間が、わずか8分に短縮される。またこのトンネルは廈門大橋、海滄大橋、集美大橋、杏林大橋に次ぐ、廈門島と大陸部とをつなぐ5番目のルートでもある。
同海底トンネルは中国が独自に設計し、建設したもので、建設期間は約4年、設計寿命は100年。全長は8.695メートルで、最深部は海面下約70メートル。自動車走行路2本とメンテナンス用の通路1本で構成される。自動車走行路は幅17.2メートル、高さ12メートルで、同時に車3台の通行が可能だ。今回のトンネル完成は、中国の国情にふさわしい海底トンネル建設技術の探索にとって、一つの里程標としての意義をもつといえる。
今回の海底トンネル完成により、世界的な難題のいくつかが解決された。たとえば、上部のカバー層が世界で最も薄い海底トンネルが誕生した。カバー層の最も薄い部分は厚さが5.7メートルだ。自動車走行路の掘削断面の面積は170.7平方メートルで、これは世界の海底トンネル建設史上での新記録だ。弱い岩質の土壌、水を多く含んだ砂の層、風化の進む槽群といった地質上のマイナスを広範囲に抱える、世界でもまれなケースとなった。建設者は独自開発に基づいて技術的難題を克服すると同時に、安全性を最大限度保障することに成功した。腐食や滲水への耐性は最高レベルで、マグニチュード8の地震に耐えるなど、施工技術は世界のトップレベルに達している。
「人民網日本語版」2009年11月6日