ホーム>>経済>>視点
日本の「バブルの悲劇」が中国で再発することはない(下)
発信時間: 2010-01-20 | チャイナネット

日本の「バブルの悲劇」が中国で再発することはない(上)

 

多額の貸付金は昨年の状況

中国の銀行の貸付額が多すぎるという問題は、確かに以前の日本とよく似ており、これに関しては中国政府も憂慮し対策を講じている。しかしこれは去年に発生した新しい問題で、ここ数年来の状況ではない。ゴールドマン・サックスのエコノミーアナリストであるマイケル・ブキャナン氏の調査によると、中国の2004年の貸付額は西側の全ての先進諸国より低かった。

昨年の銀行の貸付額が多すぎたのには多くの理由がある。それは特殊な時期の特殊な事柄と言えるだろう。ある権威機構は、昨年の中国での新規貸付の中で不良貸付の割合は約20%で、GDP総額の5%に過ぎないことから、まだ安全ラインにいると推定している。

中国の政府側が発表したデータによると、中国のGDPにおける国債総額の割合は20%以下だ。しかし国内外の専門家は、この比率は過小評価されたもので、この数字には地方政府の債務や資産管理会社によって管理された銀行の不良資産は含まれていない可能性が高いと見ている。実際この2つの項目を加えても、GDPにおける国債の割合は50%にもならず、大多数の西側諸国よりも低い。

 

一部のバブル崩壊は中国経済の成長に影響しない

もし中国が今の貸付規模やスピードを維持すれば、バブルの発生や投資過剰の可能性は大きくなり、ここ数年、勢いよく成長し続けてきた中国経済が急速に衰退し不況になるという見方が一般的だ。しかしこれは中国が必ず直面する結末なのだろうか。

中国人1人当たりのGDPは20年前の日本とかなり大きな差があり、当時の米国にはもっと及ばない。そのため中国の経済には大きく成長する余地があり、たとえある分野でバブルが弾けたとしても、迅速に回復することはできる。

 

日本の教訓から学ぶべきことは?

日本の経済が破綻した原因は、円の切り上げを認めず、長期にわたって切り上げを抑えたことにある。そして強力に日本円を推し進めて金融緩和政策を実施したため、金融分野で深刻なバブルが発生した。

中国は日本から次の2つの教訓を得る必要がある。まずはできるだけ早く人民元の切り上げを認めることだ。切り上げは徐々に行い急激には実施しないこと。次は過度の金融緩和政策を実施しないことで、この2点を注意すれば中国経済の崩壊は目の前で起こらず、避けられないことはない。

「チャイナネット」 2010年1月20日

  関連記事
  同コラムの最新記事

· 中国、石油の対外依存度が警戒レベル超える

· 2010年の中国資本市場発展の8大要点(2)

· 日本の「バブルの悲劇」が中国で再発することはない(上)

· 新5カ年計画が中国経済に拍車 ADB副総裁

· 2010年の中国資本市場発展の8大要点(1)