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今回の豊田社長の中国訪問の3つの理由
発信時間: 2010-03-02 | チャイナネット

トヨタ自動車の豊田章男社長の中国訪問が、世界から注目を集めている。リコール問題が起きてから、トヨタの対応遅れが取りざたされてきたが、豊田社長は今回、米国を離れてすぐに中国を訪問し、メディアや中国の消費者に説明を行った。それはなぜだろうか。

アナリストは、今回の豊田社長の中国訪問には3つの理由があると見ている。

1つは、中国質検総局が2月26日にトヨタの一部車種に欠陥があることを発表したこと。豊田社長は、関係部門と意思疎通をはかり、中国質検総局の発表について説明するため、中国で会見を開いた。

次に、大規模なリコール問題で、トヨタの対応遅れや危機管理の甘さがメディアから強く批判されたこと。今回の豊田社長の積極的な行動は、トヨタが教訓を生かし、早急に危機に対応し、受け身となるのを避けていることを示している。

最後に、豊田社長が中国を訪問した最も大きな理由は、トヨタが中国市場を重視しているためである。

トヨタの主な市場は北米で、次に日本、欧州となっているが、この3大市場は金融危機で大きな打撃を受けた。トヨタの昨年の全世界における販売台数は前年比4%減だったが、中国市場においては急速な成長を遂げており、昨年の販売台数は約58万5000台で前年比で17%増加した。しかし、同社の中国市場におけるシェアは大きくなく、2009年のカローラ販売台数は15万7500台で乗用車ブランドでは9位、カムリは15万6200台で10位だった。リコール問題の発生後、2010年1月の北米市場におけるシェアは14.1%、2月には12.6%まで縮小し、2005年7月以来の最低となった。中国においては、自動車市場の需要が大幅な伸びを見せる中、トヨタの販売台数は16.28%減少し、売れ筋トップ10から姿を消している。したがって、豊田社長の今回の中国訪問は、中国市場でのシェアを守り、早急に顧客の信頼を取り戻し、売り上げを回復させることを目的としていると考えられる。

「チャイナネット」 2010年3月2日

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