3月17日にロイター社が入手したこの調査写真では、3月8日アメリカ・カリフォルニア州で発生したトヨタ・プリウスの事故で、制御不能になった車両の車輪リムにブレーキ跡(カス)があることが確認できる。3月8日、カリフォルニア州エル・ケイジョン付近の州道80号において、プリウスオーナーのジェームズ・サイクスさん(61歳)は運転中加速後に制御不能に陥ったが、幸いにも交通警察の援助により停車することができた。トヨタ自動車は15日、当オーナーに対して疑問意見を陳述し、事故車両のアクセルペダルと安全予備システムは故障していなかったことが社内調査によって明らかになったと表明した。
トヨタ自動車の豊田章男社長は、アメリカ議会下院の監視・政府改革委員会の公聴会において、とめどなく涙を流しながら被害者とアメリカ下院議員からの非難と罵倒の声にじっと耳を傾けていた。これは「トヨタリコール」があらゆる意味で、日米関係に影響する政治問題にまで発展したことを示している。現にオバマ大統領はこれに先立って、トヨタリコールの公共的危険性について発言しており、悲惨な政治的運命をはらんだ戦いの序幕が開かれている。