長年旋風を巻き起こしている日本ブームや韓国ブームに続き、中国ブームも現在、急速に広まりつつある。アジアのテレビ市場で大きなシェアを誇るこの3カ国が23日、開催中の「香港国際フィルム&TVマーケット(フィルマート)」で、今後の協力のあり方について意見を交わした。
「香港フィルマート」は、映画やドラマ、テレビ、音楽などのエンターテイメント分野にスポットを当てた祭典「エンタテインメント・エキスポ香港」の一環として、22日から25日まで香港コンベンション&エキシビション・センターで行われた。29の国と地域から550社が出展し、最新の映像作品やサービスを紹介した。
「テレビジョン・ワールド」フォーラムには中国大陸部、香港および海外のテレビ企業157社が参加、中日韓3カ国の市場が直面するチャンスと課題について意見交換を行った。参加者は「保護貿易主義はアジアのテレビ産業の長期的な成長にとってマイナスで、市場を互いに開放することがビジネスチャンスを生み出すことにつながる」との認識で一致した。
天津テレビ局衛星放送チャンネルの孔令泉ディレクターは「2005年、韓国ドラマ『大長今』の放送をきっかけに、中国で韓国ブームが急速に広まった。それと同時に、『還珠格格』や『包青天』など中国大陸部のドラマも韓国で人気が出始めた」と説明、「文化の輸出とは一方向ではなく、互いの市場を開放することがテレビ産業の成長につながる」との認識を示した。
香港のメイ・アー・エンターテイメント(Mei Ah Entertainment Group Ltd)はここ数年、アジア市場で多元的な業務を積極的に展開しており、映画の配給からテレビ放送まで幅広く扱っている。唐慶枝・取締役は「テレビチャンネルを打ち出す際、日本の視聴者にターゲットをしぼり、映画に日本語字幕を付けた。プロモーションにも日本のスタイルを取り入れた」、と日本進出した際の経験を紹介した。現在、他企業との提携で新たな中国映画チャンネルを打ち出すプロジェクトを進めているという。
TBSメディア推進局国際部の小川潤部長は「ここ数年、新聞、雑誌、ラジオ・テレビの広告収入が落ち込む一方、インターネットの広告収入が伸びているというような市場の変化が見られる。制作への投資や企画への参加などといったやり方で、海外の番組を取り入れていくことにより、視聴者に新鮮感を与えていきたい」、と海外協力を見据えた今後のビジョンを語った。
「人民網日本語版」2010年3月25日