三菱東京UFJ銀行は、中日間の貿易で初となる人民元建て決済を成立させたことを発表した。同行は24日、日本最大のインク会社であるDIC株式会社の中国子会社から日本本社への代金支払いを扱った。
報道によると、日系銀行と日系企業が中日間の貿易で人民元建て決済を行ったのはこれが初めてとなる。
日本側の業界関係者は、中国の日系企業の多くが米ドルで決済しているが、人民元で決済することで為替リスクを軽減することができると分析する。
今回の人民元建て決済は、DIC本社が為替リスクを管理する。人民元で決済すれば、海外子会社は現地で円やドルに替える必要はない。今後、人民元建て決済を積極的に利用する日本企業は増えることが予想される。
阮聖林・中国銀行東京支店長によると、同支店は人民元業務に力を入れており、人民元の預金、決済、送金、両替、売買、法人や個人の人民元送金などの業務を取り扱っている。今後も引き続き業務を拡大し、人民元建て貿易決済業務で進展が得られるよう努めていくという。
中国政府は2009年7月に一部で人民元建て決済をスタートさせ、上海や広東など一部の省・市の中国企業はASEAN諸国、香港、澳門(マカオ)などの企業との貿易において人民元での決済を行った。3月中旬現在、人民元での決済額は約160億元に達している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年3月29日