中国が先進国より率先して危機から回復し、その優位は今後も続き、さらには拡大する見通し。一方で、市場では先進国に対する楽観的見方も徐々に増えている。例えば、米国で回復の兆しが現れ、ギリシャで債務危機が治まってきているなどである。それと同時に、国内外では不動産バブルや地方債務問題など、中国経済の今後のリスクを警告する声が多く上がっている。「空売り王」という異名を持つジム・チェイノス氏は、中国の不動産バブルは前代未聞のもので、バブル崩壊は避けられないと話す。また西北大学のビクター・シー準教授によると、昨年末の地方政府の未払債務は11兆元を超えたという。
筆者は、先進国が中国の加熱する速度に追いつけず、結果的に国内外経済の温度差が拡大する可能性が高いと見ている。中国経済のバブルについては、時間が経てば中国の成長速度は落ち、不動産の発展も停滞するだろう。しかし重要なのは、まだその時期を迎えておらず、どういった手段をとるか討論するのはまだ早すぎるのではないかということだ。
中国経済には特殊性がある。多くの人は今の中国と20年前の日本がよく似ていると言うが、この2つの国の最も異なる点に目が向けられていない。中国の成長の潜在力はまだ使い果たされていないが、当時の日本経済はすでに衰え始めていた。中国は学んだり真似をしたりして優位に立っているが、当時の日本はすでに高い生産効率を誇っていた。中国には都市化の遅れや地域差が大きいなど、体制面で多くの構造的問題がある。これらは、発展の見込みや原動力があることをより示している。また、中国の多くの問題は公式データに覆い隠され、消費者物価指数(CPI)や経済成長率、不動産価格の上昇、政府債務は本当の数字ではないとの指摘も多い。しかし不透明な数字の背後にいつも良くない情報があるというわけではない。政策面では驚くべき効率さや柔軟性が何度も示され、その上各界から実行可能性のある考えが幅広く受け入れられている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年4月12日