中国国務院の温家宝総理は14日、国務院常務会議を開き、不動産価格の抑制に関する政策措置について検討を行った。
会議によると、国務院弁公庁「不動産市場の安定かつ健全な発展に関する通知」が今年の1月初めに下達されてから、全国の不動産市場には前向きな変化が現れた。しかし、近ごろ、一部の都市では、不動産価格や地価が再び上昇しているため、住民の住宅購入は難しさを増しており、金融リストも高まっている。これは流動性が潤沢であることや、住宅の需要と供給のバランスが崩れていることのほか、一部の地方では認識が甘く、調整措置が徹底されていないこと、投機的な住宅購入が大幅に増加していることなどとも関係しているという。会議は、より厳格かつ有力な措置を講じるとともに、中央の定める不動産市場の調整政策を実行に移し、一部の都市における不動産価格の高騰に歯止めをかけることにより、都市部住民の住宅問題を着実に是正することが必要だとしている。
会議では、次の4つの政策措置を実施することが決定した。
まずは、不合理な住宅需要を抑制すること。
より厳格に差別化した住宅ローン政策を実施するとしている。具体的には、自分が住むために購入する1軒目の住宅で、しかも建築面積が90平米以上の場合、住宅ローンの頭金を30%以上にすることを定めている。また、2軒目の住宅を購入する場合は頭金を50%以上とし、その際、ローンの利息は基準金利の1.1倍を下回ってはならないということ。さらに、3軒目もしくはそれ以上の住宅を購入する場合、頭金の金額およびローン利息を大幅に引き上げるとしている。地方政府は実情に基づき、一定期間内に暫定措置を講じ、住宅転売や投機的な住宅購入を厳しく規制することができるということ。このほか、政府は個人による住宅消費の合理的な誘導と、個人の不動産利益の調整に関する税収政策の策定を急ぐ方針を示している。
次に、住宅の効果的な供給を増やすことを挙げている。
不動産価格が過熱している都市では、住宅用地の供給量を増やし、公共の賃貸住宅や低所得層向けの安価住宅「経済適用房」、および限定価格の商品住宅の供給を大幅に増やす必要性を指摘している。遊ばせてある土地「遊閑地」の処理を急ぎ、買い上げたものについては普通住宅の建設に、優先的に充てるとしている。さらに、土地の入札・競売・価格公示に関する制度をさらに充実化するとともに、「総合評価落札方式」や「買値(ビッド)」と「売値(オファー)」の両方を同時に提示する「ツー・ウエイ・クォーテーション(Two-way Quotation)」方式など、土地の譲渡方式を検討するということです。また、住宅建設に関する計画を制定、発表し、保障性住宅用地やバラック地区の改造用地、小・中規模の普通商品住宅用地の供給量を住宅用地全体の70%以上に保つことを各地方に求めている。このほか、普通商品住宅プロジェクトの審査を急ぎ、必要な供給量を確保するとしている。
3つ目に、保障性住宅プロジェクトの建設を急ぐことを挙げている。
土地の供給と資金の投入、および税金と価格に関する優遇政策を着実に実施することで、保障性住宅300万軒の建設とバラック住宅280万軒の改造という2010年度の目標を達成するよう、各レベルの地方政府に求めている。また、公共賃貸住宅の発展に取り組むという。
最後に、市場の監督・管理を強化することを挙げている。
土地を遊ばせる行為や転売行為を厳しく取り締まる。具体的には、「売り渋り」や遊ばせ行為などが発覚した不動産開発業者に対して、新規の土地購入、上場、融資および資産の再編成、商業銀行からの新規開発プロジェクト向けの借り入れを禁止する。また、前売り許可証明をすでに取得している商品住宅プロジェクトを処理し、不動産の買い占めや不動産価格のつり上げなどの行為に対する摘発と取り締りを強化するとしている。なかでも、悪質なものについては不動産業務の経営資格を取り消し、違法なものについては、関係者の責任を厳しく追及する。このほか、賃貸市場の規範化や、不動産市場における情報開示制度の充実化をはかる方針が示された。
「中国国際放送局 日本語部」 2010年4月17日