王夢恕氏は次のように話す。「中国の高速鉄道が世界で注目を集める理由は2つある。一つは価格が安いこと、もう一つは建設が速いことだ。上海から北京までの1300キロメートルを中国はわずか5年で完成させることができる。同様にどの国でも可能だ。価格面では、中国には他国と比較できないほどの優位性がある。中国の高速鉄道のコストは1キロメートル当たり約1億5000万元で、コストが安ければ国外でも市場を開拓することができる」
中国鉄道部の幹部はメディアに対し、中国の鉄道の総合技術はすでに開発元の日本、ドイツ、フランスを超えたと話している。
王夢恕氏によると、中国が握る高速鉄道の車両技術とレール技術はすでに世界トップレベルに達している。多くの国は国土面積が狭いため、継ぎ目のないレールの研究をせず、温度差による伸縮の調整も行っていない。しかし中国の国土面積は広いため、継ぎ目のないレールの研究が進んでおり、温度差による伸縮にも対応している。また、路床の沈下量の調整についても、中国の技術は進んでいる。国土面積が広く、地形が複雑な国での高速鉄道建設ではこれらの技術が必要であるからだ。
国土面積が広いため、中国の高速鉄道は異なる地質条件に対応しなければならない。京滬旅客専用線を例に挙げてみると、南京から上海までの区間の地質は軟らかいため、15ミリ以上の沈下に対する調整を行う必要がある。ここでは青蔵鉄道建設の経験が生かされた。青蔵鉄道(青海チベット鉄道)の建設の際、凍結と融解が繰り返し起こった。凍結すれば膨張し、融解すれば沈下し、沈下量は1.5メートルにも達する。研究を進め、凍結と融解で沈下しないよう、作業員は「道の代わりに橋を架ける」という対策を採り、問題を解決した。この方法は京滬旅客専用線にも用いられた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年4月22日