宇宙育種育成で食糧13億キロ増 レベルは世界トップ

タグ: 宇宙育種

発信時間: 2010-05-07 11:22:10 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

中国西部にある宇宙育種基地で栽培された5つの宇宙育種の新品種が5月初め、甘粛省農作物品種審査決定委員会の認定を受けた。現在、中国の宇宙育種の新品種は60種に及び、世界的に見てもトップレベルだ。

「1ムー(約6.667アール)で5000キロのピーマンが収穫でき、ササゲが1メート、ナス1個が3キロに成長するなど、宇宙育種の新品種は農産物の収穫量を大いに引き上げた」と話すのは、 宇宙育種の専門家である包文生さんだ。中国の西部宇宙育種基地で栽培されている18種の宇宙育種の野菜の新品種は、すでに全国25の省・区に広がり、耕作面積合計は6万4000ヘクタールに上る。地元で栽培されていた品種に比べると、収穫量は10%から30%増加し、トウガラシに含まれるビタミンCも30%から83%にまで増えた。

宇宙育種で育てられた新品種は、収穫量が多く品質も優れており、病虫害にも強いという特徴があり、甘粛省農作物品種審査決定委員会が実施した「生産高評価」の評定では、2007年から2008年の数回にわたる実験の結果、宇宙育種の新品種の平均増産量は11%から38%だったことが分かった。

中国農業部門の統計によると、中国の宇宙育種の新品種はすでに240万ヘクタールまで広がり、増えた食糧は13億キロ、直接の経済利益は21億元だった。

中国が宇宙育種の研究に取り組み始めたのは1987年で、これは世界でもかなり早い。1987年から国の「863」計画などのプロジェクトの援助を受け、帰還式衛星や宇宙船「神州」に植物の種や菌種、微生物、試験管苗などを搭載するなどして、宇宙育種の事業を展開してきた。長年の栽培と選別により、今年5月初めまでに育成に成功した品種と、国あるいは省レベルの審査に合格した新品種は60種に上り、そのうち西部宇宙育種基地の品種は18種を占める。

中国では今、福建農科学院、中国農科院、黒竜江農科院、江西省農科院、甘粛宇宙育種センターなどの研究機関が宇宙育種の研究に取り組んでいる。

包文生さんは「中国の宇宙育種研究は国外と違い、品種を栽培すると同時に、宇宙での突然変異の環境作りやメカニズムの研究をしている。そのため育種の研究の程度や範囲は世界トップレベルだ。宇宙育種は中国独特な育種の方法の一つで、推進してきた結果から見ると、栽培された品種はともに優良品種で、今必要なのは成果の転化の程度をさらに強め、宇宙育種の産業化の足並みを加速させることだ」と話す。

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年5月7日

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