中国国家統計局は11日、5月の国民経済に関するデータを発表した。それによると、5月の輸出額は前年同期比48.5%増で、伸び率は前月を18ポイント上回り、2007年3月いらいの最高となった。また、市場の平均予測30%を大きく上回っている。中国の新興市場への輸出は再び活発化し、ASEANは日本を超え中国3番目の貿易相手となった。
人民元建て貿易での貿易パートナーが増加
経済学者の汪涛氏は、先進主要経済国の需要が予想以上に回復したことが、中国の輸出が大幅に増加した主な要因だと考える。中国人民銀行の情報によると、胡暁煉副総裁は6月9日にアイスランド中央銀行の総裁と35億元の通貨スワップ協定を締結した。期限は3年間で、双方が同意すれば延長も可能。多くの市場関係者は、通貨スワップ協定の締結は人民元のユーロ圏進出にプラスになると見ている。現在、人民元の「国際化」はまだアジアに集中しており、欧州ではそれほど認められていない。
海通証券の陳露チーフエコノミストは、今年初めの数カ月、中国の先進国への輸出状況はあまり良くなかったが、今月に入りイタリアやオランダ、オーストラリア、米国などの輸出が正常な状態に回復したため、大きな伸びとなったと分析する。
そのほか、中国がWTO(世界貿易機関)に加盟してから、日本はEUと米国に次ぐ中国3番目の貿易相手だった。しかしこの局面は今年5月に変わり、税関総署のデータによると、今年1-5月、中国・ASEAN間の貿易額は57.5%増の1118億ドルに達し、中日間貿易額は38.8%増の1115億6000万ドルだった。ASEANはわずかな優位性で日本を超え、中国3番目の貿易相手となった。