中国政府が10日発表した統計によると、5月の中国の輸出は5割近く大幅に増加し、予想をはるかに上回った。だが経済アナリストは、これは昨年同期の基数が比較的低かったためで、中国の対外貿易は依然として根深い問題を抱えており、今後の見通しを楽観視し過ぎないほうがいいと注意する。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
税関当局の統計によると、5月の中国の輸出額は前年同月比48.5%増の1317億6千万ドルで、前の月を18.1ポイント上回った。輸入は48.3%増の1122億3千万ドル。
注目したいのは、輸出品は機械・電気製品や労働集約型の伝統的な大口製品が依然として主体的地位をしていたことだ。今年に入って5カ月間、中国の機械・電気設備の輸出は全体の59.4%を占める3374億3千万ドル、伝統的な大口製品の輸出は安定した伸びを見せ、なかでもアパレル、紡績品、家具などは前の4カ月に比べ伸びた。
中国外貨投資研究院の譚雅玲院長は、原材料や労働コストの上昇、国際市場の競争激化など新たな背景のもと、伝統的な労働集約型製品は薄利多売で満足するのではなく、輸出効果の問題を重視せざるを得なくなっているという。