国家外貨管理局の責任者は7日、「金は世界的に広く認められているほか、価値が比較的安定しており、緊急支払いなどに使用できるというメリットがあるが、金投資には一定の制限があり、中国の外貨準備投資の主要ルートにはならないだろう」と述べた。同責任者のコメントは、以下の通り。
まず、金市場には限度がある。世界の金産出量はわずか2400トンで、需要と供給は基本的にバランスが取れている。もし中国が大規模に金を購入すれば、国際的な金の価格が上がり、中国の金の価格も世界と合わせて上昇するだろう。すると、中国で人々がゴールドのアクセサリーなどを購入する時、価格が上昇することになり、最終的には国内消費者の利益を損なうことになってしまう。
次に、金の価格は変化の波が大きい。国際的な金価格はレート、地理・政治、需要と供給の関係、投機などの影響を受けやすく、頻繁に大幅な変動が起こっている。しかも、黄金は利息収益がない上に、貯蔵、運輸、保険などのコストがかかる。過去30年間で見ると、金の収益率はそれほど良いとはいえない。また、金はインフレに強い特徴があるが、同様の特徴を持つ資産は他にもたくさんある。
最後に、金を貯蓄しても外貨準備分散の効果はあまり顕著ではない。過去数年にわたり、中国は400トン余りの金を新たに貯蓄した。現在中国の金貯蓄はすでに1054トンに上っている。たとえこの量が2倍になったとしても、3-400億ドル分の外貨準備を分散するだけであり、金が外貨準備に占める比率が1ポイントから2ポイントほど増えるだけだ。
以上のことから総合的に見て、金の貯蓄増加・減少については、我々はニーズと市場の状況に基づき、慎重に考慮していく。
「人民網日本語版」2010年7月8日