米メディア 海外での鉱物資産買収に熱心な中国

米メディア 海外での鉱物資産買収に熱心な中国。

タグ: 鉱物資産買収

発信時間: 2010-07-26 10:27:32 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は7月21日、中国は世界の鉱業資産の強力な買い手になり、数年前までは大型買収で大きな挫折を経験したが、最近ではさまざまな中国企業が複雑な買収案件を次々に成功させていると報じた。

米調査会社ディーロジックによると、昨年、中国大陸及び香港の企業が関与した海外での鉱業資産買収・投資は130億ドル、2005年の100倍であった。

中国企業は今年も昨年と同じペースでM&Aを行っている。山東鋼鉄集団は先ごろ、アフリカン・ミネラルズのシエラレオネ鉄鉱石プロジェクトに15億ドル出資することを発表。これにより、中国企業が年初からこれまでに発表した買収・投資案件は76件となり、総額は83億ドルにのぼる。

米ヘリテージ財団のデレク・シザーズ研究員は、金属及び鉱物資源に対する熱狂的な需要により、2014年には中国の対外投資は1000億ドルを超えると予測する。

中国は、世界の多くの国が金融危機で深刻な打撃を受けている間に、鉄鉱石、ニッケル、モリブデン及びその他鉱物資源の生産企業の買収を成功させている。ディーロジックによると、09年の国際的な鉱業関連のM&A案件総額のうち、中国は3分の1を占め、07年の7.4%、04年の1%未満を大きく上回った。

中国の鉱業業界の重要な投資先はオーストラリアである。コンサルティング会社のプライスウォーターハウスクーパース(PwC)によると、オーストラリアの昨年の鉱業関連の買収・投資案件のうち、中国企業が関与したものは40%を占めた。中国にとって新しい市場であるカナダで中国企業が関与した買収・投資案件は約25%であった。

これまで、海外の石油や鉱物資産の中国の買い手は大手国有企業が多く、彼らは直接買収を好んだため、反発を受けていた。しかし最近は潜在投資家の範囲が広がり、民間企業から香港の投資家、さらには政府系ファンドの中国投資有限責任公司まで、幅広い。中国の取引追跡調査機関によれば、これらの投資家は経験豊富で知識も広いうえ、数年前より柔軟性があり、合弁会社や少数株式の取得といった手法を駆使して投資を行っている。

中国政府はこうしたM&A活動を公に推進してはいないが、買収・投資件数はここ数年で爆発的に増えており、買い手の多くは国有企業であることから、政府はこれを十分に重視しているとみられる。

PwCの世界鉱業担当責任者、ティム・ゴールドスミス氏(オーストラリア在勤)は、「中国の大規模な買収によって、多くの鉱物資源の世界的な供給が増加する可能性がある。中国の需要が旺盛さを維持し、インドなどの需要も急速に伸びれば、供給の増加により大口商品の価格上昇を緩和できるかもしれない」と指摘する。

中国勢が買収した企業のなかには、その所有する鉱山が開発あるいは探査の初期段階にあるものもある。このような買収はリスクが大きいが、高リターンも望める。

2001年に北京で投資銀行・貝祥投資集団を立ち上げた元駐中国カナダ大使のBalloch氏は、「最近、中国人はより創造的な投資を行うようになり、ハイリスクを請け負うのを嫌がらなくなった」と語る。

このため、増加傾向にある中国の潜在投資家はトロントやバンクーバーに進出し、世界の鉱業探査に対する投資活動の多くがこの二つの地で行われているのである。

Goodmans LLPの鉱業専門のデビッド・ラドフォード弁護士(バンクーバー在勤)は、「中国はまるで誰かが数年前にスイッチを切り替えたかのようだ。以前はカナダの資源大手にまったく興味がなかったのに、突然、多額の投資に乗り出している」と話す。ラドフォード氏によると、鉱業関連の顧客の約80%が投資先を探している中国の投資家。3年前は3分の1以下であったという。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年7月26日

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