金融危機以来低迷していた日本の輸出入貿易に明らかな好転の兆しが出ている。世界経済の好転を背景に、日本が実行した輸出多元化の戦略が功を奏しつつある。ただ、日本経済の回復の前途はまだ多難だ。国際商報が伝えた。
日本の輸出入貿易は今年上半期、昨年同期に比べて明らかな回復を見せた。だがその勢いは6月に減速を始めている。海外メディアによると、海外の需要が緩まった影響により、日本経済の復活が動力を失う可能性もあるという。中国社会科学院日本研究所の徐梅・研究員によると、日本の2010年の対外貿易は総体的に見て明らかな回復になるものの、金融危機以前のレベルに戻るにはまだ遠い。かつては世界経済の急成長をリードした日本。「安定的な回復に向かいつつある」と自認する世界第二の経済国だが、低成長をさまよった10年の影からはまだ完全に抜け出てはいないようだ。
▽黒字急増の主因は基数の低さ
今年上半期、日本の輸出入貿易は明らかな回復を見せた。輸出額は33兆1千億円で昨年同期比37.9%増、輸入額は29兆7千億円で同比23.3%増。貿易収支は3兆4千億円の黒字となった。このうち欧州・米国・アジアなどの主要貿易パートナーに対する貿易黒字は昨年同期に比べていずれも大幅に増加し、増加幅は70%を超えた。なかでも、アジアに対する貿易黒字は179.8%増に達した。
徐梅・研究員によると、この状況の出現した要因は、第一に、昨年上半期の日本の対外貿易がマイナス成長であったために、統計の基準となる数値が比較的低く、昨年上半期比の伸び幅が大きくなったこと。昨年下半期と比べた場合の輸入と輸出の成長率はいずれも10%を超えていない。第二に、米国を含む海外市場の環境が好転し、とりわけアジア新興市場の回復が比較的速く、日本の輸出商品がこれらの市場に吸収されたこと。第三に、自動車や自動車部品、半導体などの電子製品が輸出増加を引っ張ったこと。第四に、原油などの大口商品の価格が底を打って上昇したことで、輸出額がある程度増加したことが挙げられる。