近年、中国で人気のテレビドラマがいずれも静岡県などの観光地で撮影されたことから、地元の観光業に火をつき、静岡県では今年8月の観光客数が前年同月比で16倍となった。漁船衝突事件でこのところ中日関係は悪化しているが、テレビドラマや映画のロケ地を訪れてみたいという中国人旅行客の熱意に影響はなかったようだ。「日本新華僑報」が伝えた。
1日、18人の中国人ツアー客がエスパルスドリームプラザ(静岡市清水区)内のちびまるこちゃんランドを訪れた。先を争って「ちびまるこちゃん」と一緒に記念撮影。杭州からの観光客は大のちびまるこちゃんファンで、実写版のちびまるこちゃんと同じ風景に大興奮の様子だった。
中国国内のテレビ局で高視聴率を記録したテレビドラマ「杜拉拉昇職記」(主人公・杜拉拉の昇進と恋愛を描いたストーリー)では富士山や大井川鉄道、ちびまるこちゃんランドなど数々のシーンが日本で撮影された。
中国の視聴者はまずドラマにはまり、ドラマに出てくる日本のロケ地を訪れてみたいと思い始める。杜拉拉が恋を射止めたちびまる子ちゃんランドには8月、前年同月比で16倍となる833人の中国人ツアー客が来場。10月4日にも約270人の中国人ツアー客が押し寄せた。
日本で撮影された映画がヒットし、ロケ地を訪れる観光客が急増する例は2008年の正月映画「非誠勿擾」から始まった。この映画で北海道の観光業ばかりか、北海道の不動産や投資にまで火をつけた。北海道の成功例は静岡県にとってはいい前例といえる。エスパルスドリームプラザの経営者は、「静岡県も北海道に続きたい」と期待をかける。
「人民網日本語版」2010年10月20日