年末に行われる中央経済工作会議では、今年絶えず拡大し続けたCPIの伸び幅と米国の量的金融緩和政策を受け、来年のインフレターゲット(物価上昇率目標)がある程度引き上げられる見込みだ。関係者によると、2011年の中国のインフレターゲットは4%に引き上げられる可能性が高いという。「第一財経日報」が伝えた。
マクロ政策においては、今会議では「政策の連続性・安定性」を強調することはなくなると見られる。また、2008年の危機以来実施されてきた「適度に緩和された通貨政策」は、「穏健な通貨政策」へと見直される。
中央経済工作会議では慣例に従い、来年の経済成長と物価抑制の目標のみが初歩的に提出されるが、さらに重要なことは、来年のマクロ政策の基調が定められることだ。具体的な中国経済4大目標である、経済成長(GDP)、消費者物価指数(CPI)の伸び幅、就業・失業率、国際収支状況は、来年3月に行われる両会(全国人民代表大会と全国政協商会議)で正式に定められる。
▽インフレ許容度を高める
ここ5年間を見ると、2006年、2007年、2010年のCPI抑制目標は3%、2009年は4%、2008年は4.8%だった。
上述の関係者は、「現在2011年のCPI抑制目標について討論しているが、やや引き上げる方向で基本的に確定している。これには2つの要素が関係してくる。1つ目は、今年最後の2カ月、または3月の両会開催時のCPIのレベル。2つ目は、目標をどこまで引き上げる必要があるかだ」と述べる。可能性としては、4%前後となるという。
中国がインフレ許容度を高めることは、今の世界的な政策枠組みから見ると意外なことではない。
IMFは今年2月の報告の中で、将来のデフレ危機において通貨政策がよりよく効果を発揮できるよう、インフレターゲットを2%から4%に引き上げることを提言している。また、元IMFチーフエコノミストであるケネス・ロゴフ・ハーバード大学教授にいたっては、6%に引き上げるよう提言している。
さらにIMFは9月にも、中央銀行は福利の最大化を実現するため、特に新興国では柔軟なインフレターゲットを制定するべきだ、と指摘。これは新興国のインフレターゲット引き上げに向けた事実上の手引きとなった。