商務部が15日発表したデータによると、今年11月に中国に流れ込んだ外国直接投資(FDI)は97億400万ドルに達し、前年同月比38.17%増加した。1-11月の累計は917億700万ドルで前年同期比17.73%の増加だった。「国際金融報」が伝えた。
急速に成長する中国の不動産市場が、外資の中国における利益獲得の重要分野となっている。あるデータによると、不動産分野だけで1-11月のFDIは201億ドルに上り、同48%増加した。国家統計局が今月10日発表したデータによると、同期の不動産開発企業の資金源のうち、外資が656億元を占めて、同59.0%増加した。外界には中国不動産業へのホットマネーの流入を懸念する声があり、ある専門家は、不動産がホットマネーの「貯水池」にならないよう警戒する必要があると指摘する。
不動産などのサービス業で外資導入が急増しているという事実について、商務部の姚堅報道官は次のように述べた。外国為替政策の主管部門である外匯管理局であれ、商務部であれ、いずれも今後一層この事実に注目していく。商務部はすでに不動産分野に導入される外資の査定、監督管理、チェック作業を強化している。
姚報道官によると、不動産などのサービス業の外資導入が急増しているのは、なんといっても中国サービス業が急速に発展しているからだ。中国の中小都市には商業不動産に対するニーズが確かに存在しており、主流分野の成長とホットマネーとを完全に結びつけてはならないという。
そうはいっても、外資が中国不動産市場に大量に流入しているのはほぼ争えない事実だ。商務部が同日発表したデータによると、11月には前月の2.71倍に相当する114社の外資系不動産企業が、商務部外国投資管理司に新会社の設立を報告しており、増資や合併買収などの方法によって中国市場に進出する意向を示している。
また姚報道官によると、商務部は現在、「外資系企業産業指導目録」の改訂作業を急ピッチで進めており、外資系企業のハイエンド製造業、ハイテク産業、現代型サービス業、新エネルギー・省エネ・環境保護産業への投資を奨励するとともに、さまざまな機能を備えた機関の設立を奨励している。「目録」改訂版がうち出されれば、目的を明確にした中国の外資導入において指導的役割を発揮することになるとみられるという。
注目に値するのは、FDIの伝統的な投資先だった製造業では投資がそれほど伸びておらず、今年1-11月のFDIは439億9千万ドルで、前年同期比増加率は6.2%にとどまったことだ。これと対照的に、農業、林業、牧畜業、漁業分野のFDIは大きく伸びており、同増加率は37.1%に達し、FDI全体に占める割合も1.8%に上昇した。
「人民網日本語版」2010年12月16日