世界500強企業第8位、中国最大の電力会社、国家電網公司は20日、投資総額9億8900万ドルでブラジルの電力供給会社7社を買収、一挙にブラジル第5の電力会社となったと明かした。北京の日刊紙「京華時報」が伝えた。
業界専門家によると、国民経済のインフラである送電網は、経済発展のあらゆる場で大きな影響力を持つ。今回の買収は、中国とブラジル両国の戦略協力を推し進め、中国企業の影響力拡大を加速させる意味を持つ。今後のブラジル電力網建設・運営に参与するためのプラットフォームとなる同プロジェクトは、中国の電気・機械設備、電力工事、電力網技術・管理資源の南米市場参入のきっかけとなり、関連産業の国際競争力向上に寄与すると見られる。
今回の買収によって国家電網が手中に収める送電資産は、500キロボルトの送電線16本(全長3173キロメートル)と数カ所の変電所及びスイッチ・ステーション。資産規模はブラジルの電力会社で第5位となる。送電線は、ブラジルで経済が最も発達したエリアである中南部地域を通り、南北を結ぶ要所に位置し、ブラジル主要3都市(ブラジリア、リオデジャネイロ、サンパウロ)に電力を供給する。
BRICs(経済発展が著しいブラジル、ロシア、インド、中国4カ国の総称)のひとつであるブラジルの電力需要は、経済発展に伴い急増している。同時に、需要とエネルギー資源分布の不均衡という問題に直面していることから、送電事業には大きな発展の可能性がある。経済効果の面では、ブラジル政府による電力網管理監督・電気価格関連政策は安定しており、しかも吸引力がある。推計によると、同プロジェクト運営期間中の年平均利益は1億1千万ドル以上、純資産利益率(ROA)は、国家電網の現在のROAをはるかに上回る見通し。
「人民網日本語版」2010年12月21日