▽東北:「第二次振興期」で飛躍的発展のチャンス
東北地域など旧工業基地の振興戦略も引き続き、地域戦略の「重点対象」となっている。遼寧省政府は今年4月6日、国務院の同意を得て、国家発展改革委員会(発改委)の意見付返答書を獲得し、瀋陽経済区が「国家新型工業化総合セット改革試行区」に指定されたと発表した。国務院はその約4カ月後、「大・小興安嶺林区の生態保護・経済モデル転換計画」と「東北地区の農業発展パターン転換と現代的農業建設の加速に関する指導意見」を審議、大筋で認可し、旧工業基地振興戦略の具体的措置を追加した。8月17日、国務院「東北地区等旧工業基地振興指導チーム」主任を務める温家宝総理は、同指導チーム第2回全体会議において、8項目の重点方針を発表した。ここでは、エネルギー、農業、生態、インフラなど4つの主要分野がカバーされ、東北地区など旧工業基地の全面的振興にとって肝心な時期にあり、独特の優位性と競争力を備えた新しい成長軸の形成を加速する必要性が指摘された。
専門家は、東北旧工業基地は「第二次振興期」に入り、飛躍的発展のチャンスを迎えたと指摘している。また、「全国旧工業基地調整改造計画(2011-2020年)」は、「十二五」国家特定項目計画に指定された。事実、東北振興がスタートして以来、顕著な効果が上がっている。東北地区等旧工業基地復興戦略計画が実施された2003年以来、東北地域3省の生産総額年平均成長率は13%を上回っている。しかし、これら地域における体制・構造上の矛盾はまだ解決されておらず、その発展を阻む壁は依然厚い。
【展望】「資源型都市」からの脱皮
東北地域における三産業の割合は、第一次産業(農・林・水産業)12:第二次産業(工業)53:第三次産業(サービス業)35となっており、重化学工業が中心の第二次産業が占める割合は全国で最も高い。第三次産業の発展は立ち遅れており、産業の構造調整・アップグレード最適化の任務は重く道のりは遠い。華東師範大学長江流域発展研究院の徐長楽・常務副院長は、「東北旧工業基地の資源は非常に豊かで、良好な産業基盤を備えている。しかし、資源だけに頼っていられないのが現状だ。資源型都市の経済モデル転換を加速し、文化、金融、観光など現代サービス業を発展させ、新しい成長スポットを育成していく必要がある。同時に、東北旧工業基地は、戦略型新興産業の戦略配置を加速するべきだ」との見方を示している。
「人民網日本語版」2010年12月31日