スペイン第一の全国紙パイスは3日、中国国務院の李克強副総理の「ともに協力し合い、すばらしい未来を築こう」と題する文章を発表した。文中には、「中国は今後もスペインの国債を買い増す」とされ、経済危機に苦しむスペインの期待は膨らんだ。欧州の各メディアが次々とこの中国の対応に賛同を示している。4日付「環球時報」が伝えた。
今月4日から6日にかけてスペインを訪問予定の李副総理は同紙で、「中国は欧州金融市場およびスペイン金融市場の、責任ある長期投資家である。わたしたちはスペインの金融市場に自信を持っている。すでに同国の国債を保有しているが、今後も買い増していく」と述べ、「13億の人口で割ると(一人当たりの平均は)確かに満足のいく数字は出ないが、掛け算となると途方もない数字になる」と中国市場の大きなポテンシャルについても語った。
李副総理の欧州訪問に、西側メディアの注目が大いに集まっている。その一端を紹介すると、ロイター通信は、「李副総理が今回訪問を予定しているスペイン・ドイツ・英国は欧州最強の経済国に数えられ、スペインは欧州第五の経済国であると同時に、ユーロ圏の中でも金融危機が最も深刻な国のひとつでもある」と報道。さらに「欧州訪問中、70億ドル以上の契約が取り交わされる」と期待を示した。英紙フィナンシャル・タイムズは3日付で、「昔と違い、ユーロ圏の多くの国が巨額の財政赤字を抱える一方、中国は数百億ユーロという債券を購入するのに、たった数週間で積み上げた外貨準備高で事足りる」と報じた。
さらに、「中国側も米国債への依存を減らし、投資先の多様化をはかる必要がある」とし、「欧州連合(EU)がユーロの信用に傷がつくのを避けるためにも加盟国の破産を傍観するはずがないと中国はみている。こうした背景から中国は今後もユーロ債券の買い増しを公言。ユーロ圏やEUの債券を買い増すことで貴重な政治的資本も手に入る」と分析している。ドイツ紙ディ・ヴェルトも同日、「中国がスペイン国債の買い増しを約束したことでスペインはより安定するだろう」と報じた。同紙の電子版には多くの読者からのコメントが寄せられ、中国の対応を高く評価、「EUの仲間の米国は何ら手を差し伸べず、ドルの増刷に明け暮れている!中国人は欧州のコーヒーを飲みつつ、スペインに投げキッスまでしてきた」とユーモアたっぷりのコメントもみられた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年1月4日