他国のために危険を冒す?
オーストラリア大手探鉱会社、ライナス社はなぜマレーシアにレアアース精錬工場を建設しているか。その疑問を解くカギは環境的要因にある。この工場の出資総額は2.3億ドルで、主にオーストラリアの砂漠で採掘されたレアアースの精錬が行われる。
ライナス社のニコラス・カーティス取締役会長によると、オーストラリアに同じ工場を建設した場合、マレーシアの4倍のコストがかかるという。また、オーストラリアで運営を行う場合、環境問題に関して、緑の党(環境主義を信条とする政党)からの反対に遇うことは避けられない。
ニューヨークタイムズは、マレーシア政府は当初、潜在的な環境破壊のリスクを考慮していたが、ライナス社の魅力的な投資を断れず、最終的にはライナス社に12年の免税期間を与えている。