「エコノミスト」誌は、2010年に中国各省・自治区・直轄市(台湾地区を除く)が発表した経済データに基づいて一人当たり平均GDPの地図を作製し、平均GDPが各省区市とほぼ同水準の国の名称を記した。かっこ内は当該の省区市の名称。 |
英「エコノミスト」誌のサイトがこのほど、中国各地の2010年の経済状況を分析する図を発表した。それによると、北京市の一人当たり国内総生産(GDP)はスロバキアの水準に迫り、広西チワン族自治区はスワジランドの水準に相当するという。ネット上に広く流れたこのGDP地図は、第11期全国人民代表大会第4回会議に参加した各界代表たちの間で、関心と議論を呼び起こしている。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
貴州省は中国で最も貧困人口が多く、貧困レベルも最も深刻な省だが、このGDP地図ではインドに相当するとされている。
全国人民代表大会(全人代)の代表を務める同省六枝特区民政局の羅濤副局長は「貴州の2010年の一人当たりGDPは1820ドルで、全国最下位だった」と話す。羅氏は地方政府の公務員だが、2008年に全人代の代表に選ばれて両会(全人代と全国政治協商会議)に参加するまで、北京を訪れたことがなかった。羅氏が10年以上勤務した六枝特区牛場郷では、いまだに商店もない村が多く、村民は買い物するために数時間かけて山道を歩き、町まで出かけなければならないという。
だが経済規模をみれば、中国はすでに世界の多くの国をはるか後ろに押しやり、2010年には日本を抜いて、世界2位に経済体となった。
全人代代表を務める中国社会科学院(社会科学アカデミー)マルクス主義研究院の程恩富院長は「中国には13億人の人口がある。これが中国が責任を取らなければならない最大のものであり、また世界に対してできる最も大きな貢献である。どのような資源や発展の成果も、13億という分母を除いたならば、非常に限定的なものになるからだ。これは中国の前に横たわる最大の課題の一つだといえる」と話す。