現在、世界の中レベル富裕国の一人当たり平均GDPは1万ドルを超えるが、中国は約4千ドルだ。
国際連合(国連)のミレニアム開発目標の基準では、一日1ドル未満で生活する人が「極度の貧困」とされる。中国では2009年に年収1196元という新しい貧困ラインが適用され、貧困人口が08年の1479万人から約4300万人に増えたが、もしもこの国連の基準を適用すれば、貧困人口は1億5千万人になる。
GDP地図をみると、豊かな省とされる浙江省のGDPはオーストリアに相当するが、一人当たり平均GDPは中央アジアのアゼルバイジャンとほぼ同じだ。
中国は30年にわたる発展を経て、確かに一部の層が豊かになった。ぜいたく品の売り上げが順調がなことが、その明らかな証拠だ。フランスの化粧品会社ランコムの内部統計によると、東部都市の杭州市の化粧品カウンターは、2年連続で売上高が日本の銀座のカウンターを上回り、世界一の座を保ったという。
一部の人や一部の地域が豊かになると、中国では東西の格差、都市と農村との格差、職種ごとの収入格差が拡大した。今回のGDP地図からも、東西の格差がはっきりとうかがえる。上海のGDPはフィンランドと肩を並べるが、西部の寧夏回族自治区はアフリカのエチオピアと同水準とされている。
吉林大学経済学院の李政副院長は「現在、中国の異なる地域や異なる職種の間で格差が生じていることは、当面の地域経済の発展規律が決定していることである。だが国民全体が発展の成果をともに享受するにはどうしたらよいかが、中国政府の前に横たわる課題だ」と話す。