米紙ウォールストリートジャーナルは5月27日、「中国でテークオフするビジネスジェット」というタイトルの文章を掲載した。以下はその文章の抄訳。
世界のビジネスジェットメーカーは業績を伸ばすべく、ターゲットを急成長著しい中国の富裕層に定めている。
欧州と北米市場は昨年、販売量を大きく減らし、現在も低迷が続いている。一方、中国市場は急成長の真っただ中にある。例えば、フランス航空機メーカーのダッソー・アビアシオンが販売するビジネスジェット機「ダッソー・ファルコン」の注文の半数が中国からだったという。
中国市場がビジネスジェットメーカーを夢中にさせる理由は、市場がまだ未開拓なことにある。新規注文リストをみると、中国の顧客のほとんどはこれまで飛行機を保有した経験がない。一方、アメリカの顧客の3分の2は飛行機保有経験がある。また、欧米の顧客と異なることは、中国の顧客が市場に参入してまもなく、5000万ドルを越える大型飛行機を購入していることである。
ダッソーのシャルル・エデルステンCEOは、「中国の市場ポテンシャルは巨大だ」と述べている。
中国の富裕層は財産をひけらかすことをためらわない。また、中国はメーカーが商品の高級さを存分に吹聴できる市場でもある。エデルステン氏は、「数百万ドルのビジネスジェットを購入する中国人は、不動産業あるいは採掘業の経営者が多く、ほとんどが現金で購入していく」と述べた。
現在、中国で登録されているビジネスジェットはわずか130台前後であり、1万5000台のアメリカと比べるとかなり少ない。