中国税関総署が10日に発表した統計によると、7月の中国の貿易黒字は314億8000万ドルで前月より92億1000万ドル増加し、2009年2月以来の高水準となった。専門家は、欧米の債務問題が未解決で、世界経済の回復力が衰えている中、中国は貿易黒字を縮小させ、外貨準備を減らす措置を講じる必要があるとの考えを示した。
北京の貿易専門家は、米国債の格下げ、経済の回復力の衰え、危機に対応するため実施時期が早まると見られる量的緩和第3弾は、米ドルを長期的に下落させ、ドル資産を大幅に縮小させることになると懸念する。貿易黒字を引き続き拡大させ、外貨準備を増やすことは、賢明なやり方ではないと言える。
国務院発展研究センター対外経済部の趙晋平副部長は、中国の現在の貿易黒字には国内市場の需給関係と国際分業が反映されていると見る。中国が比較優位を持つ中で生産する低価格で良質の製品に対する世界の需要は高く、製造業は長期にわたって中国の最も重要な産業、第三次産業を育成するよりどころとなっている。「貿易黒字の存在には客観性と合理性がある」と趙晋平氏は話す。