世界貿易機関(WTO)は1月30日、中国が9種類の原材料に実施している輸出規制がWTOのルールに違反しているとの裁決を下した。商務部条約法律司の責任者はこれをうけて、「中国はWTOの裁決を真摯に評価し、WTOのルールに基づき資源製品に対して科学的な管理を行い、持続的な発展を実現する」とのコメントを発表した。
今回の裁決は欧米諸国が中国のレアアース輸出規制に対して探りを入れた結果である。多くの専門家がこれまでに述べてきたとおり、違反判決が下ったことで欧米諸国が次の一手に踏みだすのは間違いない。一方、中国は輸出規制が困難になることで打撃を受けるが、専門家によると「(裁決をうけて)中国が完全に受動的状況になることはない」という。
今回の裁決では中希土類17品目は対象に入らなかった。しかし、EUのカレル・ドゥ・グヒュト通商担当は、「中国がレアアースを含むすべての輸出規制をWTOのルールに合うよう見直すことを願っている」とけん制した。