1月26日までに、28の省が2011年の国内総生産(GDP)を公表した。多くの省のGDPが1兆元超えを果たすと同時に、北京、上海などでは一人当たりのGDPが先進国の水準に近づいた。しかし、「先進国の水準に接近」というはただの統計上の基準であり、GDPを一人当たりの資産に換算すると、まだ先進国の水準には遠く、今後も政策による支援が必要である。
統計によると、昨年、上海、北京、杭州などでは一人当たりのGDPが8万元を超えた。これは1.2万ドルに相当し、世界銀行の基準では、「中の上(アッパーミドル)」級国の水準に属する。先進国の水準にもまもなく届きそうだ。
本当に中上級国の水準に達したか?
1人当たりのGDPはただのマクロデータであり、本当に中上級国のレベルに達したかについては、冷静に考えなければならない。
まず、一人当たりのGDPは一人当たりの所得や一人当たりの資産に相当するものではない。
報道によると、昨年、北京市民一人当たりの手取り収入は3万2900元、一人当たりのGDPの3分の1である。また、消費者物価指数(CPI)は5.6%と高水準で、一平方メートルあたり約1万3000元で計算すると、北京市民の1年の収入では、3平方メートルも購入できない。先進国と比べると、かなりの差がある。
また、一人当たりのGDPは常住人口の変化の影響を大きく受ける。例えば、広東省は、ここ4年のGDPの伸び率が49.8%に達し、一人当たりのGDPも8.1%増加した。しかし、常住人口はわずか8.8%しか増加していない。広東省には外地からの労働者がたくさんおり、それら流動人口を加えて計算したならば、一人当たりのGDPはかなり低くなるに違いない。
そのほか、世界銀行の基準が米ドル換算であることも忘れてはならない。人民元はここ数年ドルに対して強くなっており、ドル換算のGDPが右肩あがりになるのは当然である。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年2月2日