中国に出店している「日本料理店」のほとんどは、日本で言えば居酒屋風のお店である。ファイブスタークラスのホテルに出店しているお店の中には、かなり格上のものがあるが、あまり高級すぎるとコスト高となり、経営が成り立たなくなるので、かなりのお店はやはり居酒屋風のものである。
日本の新聞の記事で、ウェートレスさんたちが一応日本語を使っているが、日本語そのものもたどたどしいと書かれている。そして、着ている「和服」風の着物もどうも変だという見方をしているが、これはどうしようもないことだと思う。地方から出てきた若い女性たちに短期間の特訓で日本語を覚えさせる努力をしただけでも高く評価してあげるべきだと思う。また、日本の料亭の使用人たちのような和服をすべてのウェートレスに着せるようでは、お店の経営が成り立たなくなるのではないだろうか。
話は変わるが、北京にはカナダ人の経営する「日本料理店」もあり、かなりの客入りのようだが、これは「創作日本料理」と言った方がよい。SUSSI GRILLという店名がついているのだから、まさにグリルであろう。中国人客たちはそれでも「日本料理」として賞味しているようだ。ニューヨークにも「日本料理店」があるらしいが、そういうところの料理はどうだろう。私見ではあるが、私はいつも知人に本場の日本料理を賞味したいなら、やはり日本へ観光に行くことだと言っている。これはなにも中国に出店しているお店には行くな、と言っているわけではないので、誤解のないように。聞くところによると、中国料理の一大体系をなす広東料理も、本場のものを賞味するには広州か香港へ行った方がよい、といわれているが、食文化というものはそういうものらしい。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年3月6日