イギリスのインディペンデント紙は3月20日付社説で、レアアース問題について言及した。
オバマ大統領のポケットにある携帯が振動した。このとき、彼が中国との大規模な貿易摩擦紛争を行うことを急に決心したとしても、驚くべきことではない。機能性は抜群でしかも超薄型の磁石が、現在多くの人々の携帯を振動させている。この磁石は17種類のレアアースから作られている。そして先週、このレアアースにからむWTOへの提訴が話題となった。
この提訴の結果が、将来の携帯価格や生産地に大きな影響をもたらすことになる。この数年、レアアース問題が各国の政治経済の議題に上るようになってきた。レアアース需要の高まりにしたがい中国が供給制限措置を採ったことで、供給不足に陥る危険性が高まったからだ。
10年前、アメリカはカリフォルニア州のマウンテンパスにある最大のレアアース鉱山を、汚染スキャンダルにともない操業停止処分にした。しかし欧米は、レアアースの生産仕事を安価な価格で働く中国の鉱山労働者に譲渡することに成功した。現在、中国におけるレアアースの生産量は世界の95%を占める。