日銀は9月19日に追加金融緩和に踏み切り、資産買い入れ基金の総額を10兆円増額した。日銀による追加緩和は4月以来で、日銀は欧州中央銀行と連邦準備制度理事会の金融緩和策に続き、金融緩和策を講じた中央銀行となった。この情報の影響を受け、東京株式市場の水曜日の終値は4カ月ぶりの高値となった。日本の輸出企業の株価は、同情報の発表を受け軒並み上昇した。国際金融報が伝えた。
◆高まる経済リスク
日銀は同日の金融政策決定会合で、資産買い入れ基金の総額を70兆円から80兆円に拡大することを決定した。追加された10兆円のうち、5兆円は短期国債の購入に、残りの5兆円は長期国債の購入に充てられる。日銀はまた、無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.1%で維持し、実質的なゼロ金利を継続する。
日銀は、欧州市場の需要減少、および中日関係の緊迫化による影響を受け、今回の増額を決定した。日銀はまた、日本の景気判断を「緩やかに持ち直しつつある」から、「持ち直しの動きが一服している」に下方修正した。日銀は、海外経済の情勢が悪化しており、今後引き続き欧州債務危機および米国・新興経済国の情勢に注目する必要があるとした。日銀はまた、日本のインフレ率を約0%と予想した。
安住淳財務相は、「日銀による追加金融緩和はタイムリーで、予想を上回る力強いものであった」と語った。
JPモルガン証券のエコノミスト足立正道氏は、「今回の資金追加は終点ではない。日銀の経済の不確定性に対する評価を覧る限り、今後さらなる緩和策が打ち出される可能性がある。最大の輸出相手国である中国との摩擦を受け、日本の自動車工業に深刻な損失が生じ、日本経済の低迷のリスクが高まった」と指摘した。