実体経済の成長を強化。過去10年間で形成された重化学工業の過剰な生産能力、外向型の経済発展によってもたらされた海外貿易による過剰な生産能力、戦略型新興産業における風力エネルギーや太陽光発電などの過剰な生産能力はいずれも、世界経済と中国経済の減速圧力に耐え、経済のモデルチェンジ・グレードアップの痛みを乗り越えなければならない。一方で、中小企業は受注不足、人材不足、不十分な技術や資金、行き届かない規範化といった厳しい難題に直面しなければならない。実体経済は根本的かつ完全な転換を成し遂げることで初めて、生産能力過剰の問題を克服することができ、イノベーションによる牽引力を発揮する環境を整えることができる。
2012年は中国経済の「モデルチェンジ元年」となるだろう。2012年、中国の国内総生産(GDP)成長率は7.8%まで低下し、2013年には7.5%前後まで低下すると見られている。しかし、2012年は経済が減速するなか、消費率は上昇し、中国経済に占めるサービス業の割合は拡大し、研究開発力も強化され、雇用環境も改善した。つまり、中国経済が減速する過程で経済構造は合理化しつつあり、就職率は上昇し、都市・農村や地方間の所得格差は徐々に縮小し始めているのである。